自分用読書メモです。
自分が気になるポイントのみの抜粋のみであり、内容は本を買って見て頂ければと思います。
はじめに
- 「自閉症スペクトラム」そのものの実体を理解することは大切ですが、「その特徴のある子どもとうまく生活していくためにどうしたらよいか」を考えることは、それ以上に大切なことだと、私は考えます。
- 自閉症スペクトラムであることを否定することは、その子らしさを否定することになる
- 自閉症スペクトラムである子どもたちは、そうでない人たちの中で生きるために大変な努力をしています。ですから周りに私達も、彼らとともに行きていくために、それに見合った努力をしなくてはなりません
序章 あれ?うちの子ちょっと...と思とき
この賞は自分はスキップ
1章 自閉症スペクトラムって?
- 英語では「Autism Spectrum Disorder」と言い、その略称の「ASD」という呼び方が日本でも一般的になっている。本書では「自閉症スペクトラム」と「ASD」という表記を使用する
- ASD の特性
- 人とのかかわり、コミュニケーションが苦手
- 興味の偏り、こだわりが強い
- 間隔の偏り、動きがぎこちない
- ASD のある子は不特定であることもある一方で、とても素直でまじめだったり、すばらしい能力もある
- 子どもの苦手なことや得意なこと、両方を理解して、丸ごとその子らしさと受け止めて関わることで、子どもたちはきっと生き生き育っていく
- 特性1 人とのかかわり、コミュニケーションが苦手
- 「見たり、聞いたり、感じたりしたことを理解して、それに適した対応を選び、実行する部分」に何かしら問題がある、と考えられている
- 対人関係や場に応じた振る舞い方、コミュニケーションにつまづきがち
- 言葉が出にくく、話してもオウム返しや欲しい物が合っても「あれ取って」と言葉で伝えず、大人の手を掴んで連れて行くこともあります(クレーン現象)
- 言葉に込められた意味を理解するのが難しい(たとえ話や冗談を真に受けてしまう)
- 表情や態度から相手の気持ちを汲み取るのが苦手な子も。また、自分の言動が周りにどう写っているかがわからず、相手が嫌がっているのに一方的に自分の好きな話をしたりすて、「空気が読めない」と言われてしまう子もいます
- 特性2 興味の偏り、こだわりが強い
- 子どもたちは経験値を積みながら、「これから起きることを想像し、柔軟に乗り切る力」をつけていくのですが、ASD のある子どもは、それが大の苦手。常に、不確かな「先のこと」や「変化」に不安を感じ、緊張状態にある
- 「いつも同じこと」に没頭することで、安心を手に入れようとしている姿
- 相手、状況、場面に応じて気持ちを切り替えるのが苦手
- 興味や関心の向く分野は非常に狭く、でも一度はまると、とことん極める傾向もある
- くるくる回る、手をひらひらさせるなど、同じ動きを飽きることなくずっと繰り返す子もいる。こういった行動は「常同行動」といいます。こういう行動が増えていると不安定になっているサイン
- ルールを守ることにこだわる。ルールがあると「何をそうすべきか」が明確に分かって、変化による不安を避ける事ができます。その為、忠実にルールを守ろうとすることもいます
- こだわりの一つとして「一番になること」に執着する子もいます。特に得意分野において、自分より物知りがいると悔しくてどうしても許せなくなってしまうことがある
- 特性3 感覚の偏り、動きのぎこちなさ
- 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚が敏感で、他の人は気にならないような刺激に強く反応し、激しいストレスになる子もいる。これは気力で我慢できるものではなく、「わがまま」ではもありません
- よく見られる特徴として「記憶力の高さ」がある。自分の興味のあることに関する「記憶の取り込み方」は特徴的。一方で「嫌なことを忘れられない」という困難につながることもある
- 他の障害と併せ持つこともある
- 二次障害
- ASD の特性から頑張ってももうまくいかないことも多く、失敗を重ねることで周りからしかられ、挫折感を味わう子もいる。また、小学生になると勉強についていけない、友達からからかわれるなどもある。自信を失い、周囲の人を信じられなくなると、心にゆがみが生じ、2次的な問題を引き起こしてしまうこともあります。これを二次障害と読んでいます
- ASD への対応でいちばん大事なのは「二次障害の予防」と言っても過言ではない。大切なのは子供の特定に早く気づき、理解すること
- 二次障害をはねのける「自己肯定感」を身につけることが大事
- もし、二次障害が起きてしまったらできるだけ早く対応する。家族だけで抱え込まず、学校や医療・相談機関ともつながりを持つ
- 自閉症スペクトラムには複数の症状が含まれる
- 大切なのは「自閉症スペクトラムであるか、そうでないか」よりもその程度のつまづきの度合いを理解し、どうすれば生きづらさを軽減できるか一緒に考えること
2章 子どものキモチ、大切なかかわり10
- マイスペースを確保する
- 耳をふさぐ、部屋を出るなどの SOS サインを把握し、落ち着ける場所(マイスペース)を確保する
- 子どもが不安を感じていると、言葉をかけたり抱きしめたりして、不安をぬぐってあげたいと思うかもしれません。しかし、それよって余計に混乱する場合もある。子供が安心できる距離感で関わることも大切
- 園や学校など必要に応じて周りの子ども・大人に必要性を伝える
- 慌てず冷静にかかわる
- 大人も慌てて動揺するのは NG
- パニックには理由があり、スイッチ(原因)は様々。できるだけ起きさせないようにすることが子の安定につながる
- パニックへの対応は「少し離れて、危険がないなら静かに見守る」が基本
- 無理強いしない
- 「苦手な感覚は避ける」が基本(例:耳栓を使う、洋服のタグを使う、洋服の材質を特定のものにするなど)
- 言葉がわかる子であれば、嫌がっているものが何か説明すると納得することもある
- 家庭ではお手伝いなどを通じて感覚を少しずつ広げていくことも大切。お手伝いのときには「xxくん、ありがとう」など適切に褒めることもポイント
- 理解しやすい言葉で伝える
- 特徴を理解する
- 長い言葉、早口が苦手
- 総合的に理解するのが苦手
- あいまいな言葉が苦手(きちんと、などのあいまいな単語)
- 出来るだけシンプルな言葉ではっきり伝える
- 具体的でストレート、肯定的な伝え方をする(「走りません」ではなく、「歩きましょう」と肯定的に伝える)
- 特徴を理解する
- 目で見て分かる工夫をする
- 言われたことを理解・記憶するのは苦手だが、目で見たものを理解するのは得意
- 言葉で説明するのではなく、実際にやって見せて見てもらう
- 絵や写真などを使うとコミュニケーションが取りやすい場合もある
- 変更は事前に知らせる
- 「いつもと同じ」だったり「自分の予想通り」だったりすると、何をすれば良いのかが分かるので安心して行動できる。しかし、予想外のことが起きると強い不安を感じる
- 変更がある場合、早めに知らせ、どうしたらよいかを確認する。変更の可能性があることを前もって伝えておくのも良い
- 基本的には極力予定は変更しない姿勢で、それをしっかり守ることが大事
- 気持ちを切り替えやすくする
- 遊んでいる最中に突然「買い物に行くから終わりにしよう」など言われてもやめるのが難しい。好きなことをしている時は過剰なほど集中しているということもある
- 時計を使って何時になったら終わりにするかなどを決めておくのも良い
- 次にやることを知らせる時は「今から何をするのか」「どのようにするのか」「どれだけするか」「どうなったら終わりなのか」をはっきり伝える
- 発信する力を育てる
- 言葉は知っているが適切に使えない場合、「こんなふうに伝えたら分かるよ」という見本を知らせる。そして、一緒に練習する
- 得意なことや興味を生かす
- その子が普段好きなあそびや得意な分野を見つけておきましょう
- 「苦手」の克服以上に「得意」に注目する。日本語を書くのが苦手で昆虫が好きな子には「"かぶとむし"を書いてみる?」と誘ってみる
- 自分で出来ることを増やす
- 子どもが「自分でできることを増やす」ことを意識する
- 「一緒に」から、少しずつ手を引いていき、徐々に支援の手を離す
3章 子ども・家族のケアとサポート
- ASD の治療は薬ではなく「療育」がメイン
- 「療育手帳」の交付を受けると様々な支援サービスを受けられる
- 親御さんが元気でいることが一番大事。頑張りすぎてダウンしないように一人でも信頼できるサポーターを見つけて下さい。またその人は発達障害やASDに詳しい・理解のある人が良い
- 自分の時間も必要であり、親も休める時間が必要
- きょうだいがいても特性が強い子に時間を割くことが多くなってしまい、きょうだいは我慢しがちになる。きょうだいも「自分は愛されている」と実感できる関わりが必要。例えば「きょうだいの子とだけ関わる時間」を作る
4章 年代別に見る子育てポイント
- 今、親が子供を理解しようとしていること、子供が頑張って取り組んでいることは少しずつでも確実に将来につながっている
- 一人ひとり特性も違うので就学先について一概に「ここがいい」とは言えない。各自治体では「就学相談」も行っているので必要に応じて活用する
- 学校・学級の種類はいくつかある
- 通級による指導(通級指導教室)
- 通常の学級に在籍しながら、通常の学級から離れて通う教室で、就学相談で「通常の学級」と判定が出た子が利用します
- 児童期(小学校入学から中学入学ぐらいまで)
- 深刻な劣等感や生きづらさを積み重ねると二次障害につながる心配がある。悩みが大きくなる前に相談できる人がいるか、子供が自分らしく過ごせるかがポイント
- 「特別支援教育」が導入され、小・中学校での相談や支援の体制も充実してきている。子供の通う学校ではどんな人・組織が相談に乗ってくれるのか、確認しておく
- 就学後も、学習の場は子供の様子を見て変更する事ができる。無理や我慢をせず、子供が安心して過ごせる事を優先する
- 就学後は以下のポイントで注意が必要
- 学習
- 友達とのかかわり合い
- 休憩時間の過ごし方(やることが決まっていない時間)
- 家庭での関わり
- 学習面の家庭でのフォロー
- 量が多くて負担の場合には担任にも相談
- 家庭では得意科目を中心にして楽しい学習時間になるようにする
- 友達とトラブルになったときのフォロー
- 学校でのトラブルは担任の先生に事実関係をまずは確認し、相手への対応を相談する
- 学校外の場合、まずは本人に事実関係を確認。謝罪を兼ねて相手の保護者に会い、状況を教えてもらう。そのうえで本人に具体的な対応方法を伝え、相手の保護者にも家庭で指導することを約束する
- 地域とつながる
- 習いことも検討
- 音楽や絵など自分のペースで出来るものがいい。特訓や無理強いではなく、子供が楽しめるものをみつける
- 困ったとき、大人が答えてくれたという経験を積む
- 「困った時は助けを求める」という意識を育てるためにも
- 学習面の家庭でのフォロー
- 思春期(中学入学から18歳ぐらい)
- 将来どんな社会生活を送りたいか、進学するかなど、支援者も含めて親子でよく話し合い、将来の具体的なイメージを持ちたい時期
- 中学以降の進路は本人の思いを尊重して一緒に考えていくことが大切。必要に応じて子供の事をよく理解している療育スタッフや学校の担任などにも相談する
- 中学校でも小学校と同様に支援内容を引き継ぐことも可能
- 高校は様々な形態があり、選択肢が増える。自分に合った環境を見つけやすいので、高校は楽しく過ごせる場合が多い
- うつや不登校が現れることもある。このハードルをどのように超えて次の社会生活のステージにつなげるかはポイント
- 家庭での関わり方のポイント
- どんなときでも見方で
- 子供が自分の得意なことや好きなことを理解できるようにする
- 家事や買い物など、自立に向けて出来ることを増やしていく
- 性についてオープンに話しが出来るように
- 青年期(18歳以降)
- これまで以上にコミュニケーション力や社会的スキルが必要になる
- 自分に向いている仕事は何かをよく考え、親御さん以外に親身に相談に乗ってくれるサポーターを見つけておくことがポイント
- 育児や発達の専門家や相談窓口は18歳までが対象となっていることが多いので、大人を対象とした相談先を見つけましょう
- 異性とのお付き合いなどが始まることもあるので、その時に気軽に相談できる親子関係が出来ていると良い
- 家庭での関わりのポイント
- 親は一歩引いたサポーターに
- トラブルに巻き込まれてないか、ようすを確認
- 進学先・就労先とつながっておく
- 「大人同士の関係」へ
5章 こんなときどうしたら?気になる姿と対応
- 白いごはんとうどんしか食べない
- なかなか眠らない
- お風呂を断固拒否する
- パンツにおしっこをしてもそのまま
- 着替えにとても時間がかかる
- 不安なとき、自分や友達を傷つけてしまう
- 言葉の遅れを指摘される
- 人の気持ちが理解できず、トラブル続き
- 4歳を過ぎるころから相手の視点に立って物事を理解できるようになる。この発達を「心の理論」という
- 「心の理論」が育っていないと人のは話に割り込んだり、相手に嫌なことを言ってもそれが悪いことだと思ってないのかもしれない
- ゆっくりでも相手の視点で考えたり、気持ちを理解できるようになるので大丈夫。焦らずかかわっていく
- 話に割り込んだ時などまずは子供の「話したい」とい気持ちを受け止めてあげる。そのうえで「その気持はお父さん・お母さんも同じ」と伝える。自分の視点は理解できるのでそこから相手の視点や気持ちに切り替えていく
- あったか言葉(ありがとう・さすが・頑張れ)などを使う。逆にチクチク言葉(嫌い、バカなど)は使わないように教える
- 違う年齢の子と遊ぶ機会も作れると良い
- 必要ならば専門家にも相談する
- マナーやルールがわからず友達と遊べない
- 運動会の練習にストレスを抱える
- マイペースで、集団行動になると固まってしまう
- 通常の学級での学校生活が苦痛
- 本人の状況を学校の先生と共有する
- 登校を渋り続けてつらそうなら、通級での指導や特別支援学級への転籍も検討する。必要なら転校なども考える